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情報化 事例報告DESCRIPTION based on LAW

販売管理・在庫管理システム編

守秘義務があるために、隠語にて報告いたします。

所在地:T県S市 業種:製造・卸売業 資本金:3.000千万 年商:約22億円
従業員数:50名 拠点:全国3拠点 組織形態:事業部制組織 大手メーカー素材加工下請け企業
クライアント依頼内容 情報化導入による、物流在庫のリアルタイム把握と電子帳票化への事務作業の効率性向上
クライアント要望 何としても半年でシステムを構築して欲しい
所見
情報リテラシーの能力が低く、事業部としての既存のシステムが画一化されていない。
業務遂行が担当部署・各担当者の一存で決定されており、知識が暗黙知化している。
情報共通ツールがないと同時に、上層部の危機的意識が下位層に伝わらずに
各個人主義が組織文化として定着していた。戦略的マイオピアに陥っている状況である。

組織・人事面に大きな問題があり、こちらの解決が優先事項であったが
依頼内容として含まれていないために、システム化のみを案件とした。
正規稼働まで、相当の時間を要する案件であった。

システム化 問題点
過去にSEベンダーと情報化への試みを実施したが、いずれも失敗に終わっていた。
当時 カスタマイズシステムを提供していたSEベンダーがあったが
システム導入が5年前と旧プログラム言語を使用しており、なおかつ完成に至っていなかった。

SEベンダーとの話し合いで、SEベンダー企業の押し売りに近い現状が明らかとなった。導入システムの改善要求すると共に、SEベンダー側主張の改善を急がせた。

[クライアント側の問題点]
1.情報リテラシーの高い社員(窓口担当者)が不在で、擦りあわせができない。
2.要求が随時変更になるために、プログラム化できない。
3.契約書がなく、口頭で契約したために責任の所在が不明である。

所見でも述べたが、過度の個人主義となっているために各構成員が事業部としての業務を把握していない。また、システム化が人員削減に繋がると思い込み協力体制がまったく構築されなかった。

システム化への基礎要件(要件定義)が整備されていないために、業務の流れが不明確であった。

何度かの情報化失敗が、過度の疑心暗鬼を生み出している悪循環に陥っていた。

解決策の方向性
当時導入済みのSEベンダーS社のシステムをベースに改善・改良を試みたがプログラム言語の制約があり断念する。

先入先出しが大前提の企業であるためにカスタマイズが必要となった。大枠のシステム基礎要件構築を優先して、パッケージソフトの導入を前提とする。

システム化の基礎要件(要件定義)の確立と供に同期化しながら勧めていくことに決定をする。
解決実施 初期
約6ヶ月
クライアント企業の業務の流れを把握するために、当該企業にてしばらく常勤をしながら
基礎要件の作成を実施する。
 
製造卸売り(自社工場)と法的な規制があり、追番管理・出荷が義務と成っていたために製造工程の把握と、工程変動で同一商品に原価変動が発生するなど特殊な帳簿管理を実施していたために、最適解を部門レベルでなく事業部レベルで出す必要があったため。

[システム化 基礎要件の作成]
・自社商品コードの付加(データ等がなく、帳簿からエクセルにてデータ化する作業から開始)
<先に製品・商品のみのデータ化を実施する><工場使用材料等は、後工程に移管>
・取引先コードの付加、仕入先コードの付加(供にデータなし)
・事業所別にデータを再編し、規則性・保守性を高めるコード付加に配慮する
・商品コードに情報を付加する。原価・売価・利益率・仕入先など基礎的情報を帳簿からデータ化する。
(商品台帳、商品価格帳が存在しないため、営業と業務でコンフリクトが発生していた)

価格帳の作成などを要求したが、提出はされなかった。

クライアント企業 上層部に経過・今後の進捗状況を報告する。

解決実施 中期
約4ヶ月
パッケージソフトを「弥生販売プロフェショナル」に決定し、データの入力を実施する。
作成データから商品価格帳を作成し、各構成員に配布して情報の共有化に勤める。

システム化 基礎要件の作成
・各種申請書の作成並びに運用の徹底を上層部に報告し各構成員に周知徹底を図る。
(新製品登録書、価格変更申請書などデータの保守性を維持するための書類)
・システム化における専用社員を選抜して、システム化の意義とノウハウを醸成させる。
・情報リテラシー向上のために、勉強会を実施する。
・帳票レイアウト機能を使用して、売上伝票、請求書の電子化を進める。
・各作業のマニュアルを作成する。(仕入入力、売上入力、入金入力等)
各作業を1枚のまとめ、画像を使って分かりやすく説明に留意する。

・前月繰越額等の調整を実施して、本格稼働に備える。
・OX部門のみ試験稼働を実施する。

・XX部門における原材料の原材料コード化を実施する。

・OX部門のみ弥生ソフトを使った実地棚卸しを実施する。
差異なしを確認後、システムの本格稼働を実施する。

クライアント企業 上層部に結果報告並びに今後の進捗を話し合う

解決実施 後期
約6ヶ月
システム採用企業が大幅に増えたことにより、独自の入力行動が混乱を招く。
・システム入力に関する、社内規約(手順)を作成し上層部を通して周知徹底を図る。
・XX部門のシステム化開始 端数原料からの先入れを把握することで
 倉庫内における不良在庫化を抑制する。同時に物流人員へロケーション管理の徹底を要求する。
・XX部門製品の工場生産における申請書を作成し、情報の共有化に勤める
・弥生データを使用した、製品構成在庫帳システムを別途作成・納品することで
業務担当者の付加を逓減するとともに、システム化の意義である作業効率の向上を図る。

・XX部門、OX部門における「相手先指定伝票」へ対応させることによって
記伝の作業を無くす。帳票レイアウト機能を使いドットプリンターにて対応印字させる。
<作業負荷の大幅逓減とクライアント企業における企業価値の向上に繋がる>
<記入漏れ、ご記入、請求間違いなどが解消されたためである>

売上に関する、元帳の印字を開始する。

現システムにおいて、棚卸し精度の向上とロット管理の画面上での確認が可能になる。

今後のシステム化予定<仕入れ入力の精度向上による利益管理へのシステムの充実>
          <ネットワークソフトの導入による、拠点間の情報の共有化>
           <会計ソフトとの連動による、企業内情報化の推進>

クライアント企業 上層部に報告
大変な満足意見をいただくが、契約上層部者が海外転勤となりシステム化へのコンセンサスが得られない方の実権把握により契約満期を待ち、終了となる。


システム化が軌道に乗っていただけに残念である。
各社員が持っていた「経験・ノウハウ」の形式化が最終的な目標であったが、半ば達成した状況で終了してしまった。

なお、旧来のSEベンダーとの旧システムの拡張へ方針転換を図ったが何とも言えない状況であるとのお話をいただいた。

依頼予定の企業様へ
システム化における中小企業の成功事例、失敗事例においては多くが失敗事例である。

SEベンダー企業との知識格差や不当に高いソフトの導入などで費用対効果で費用が上回ってしまうことも多く聞く話である。

本当のシステム化は、導入後の保守・運営から始まると言っても過言ではない。
SEベンダーとの業務把握のギャップやクライアント企業様における最適解を導くためのシステムの導入・運営などの「擦りあわせ」が大切である。

弊社では、クライアント企業様の事業内容を把握した上での「擦りあわせ」を提供すると共にシステム化における「悩み・相談」に適した助言を行っております。

電話、メール等でご連絡をお待ちしております。

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